アオスジアゲハといえば、落ち着きなく飛び回ってじっと静止することが少なく、吸蜜の時も次から次へと慌しく横移動を繰り返すので、飛翔シーンが撮りにくい蝶のひとつ。しかし、そのアオスジアゲハも突然、動きを変えて空へと舞い上がる瞬間がある。

ちょうど二年前の初夏、ここで記憶に残る不思議な光景に出会った。
目の前で、アオスジアゲハが一瞬にしてどこからともなく3頭集まったかと思えば、くるくるときれいな輪を描くように、しかも時折光を放つように空高く昇っていったのだ。
その様子はまるで、天に向かって螺旋状に引かれた見えない糸の上を辿っているかのようだった。なんて不思議で美しいんだろう!!
アオスジアゲハの追飛行動。
追飛行動とは、縄張り争いや求愛のために複数のチョウが追いかけ合う行動で、もちろん他のチョウでも見られるのだが、これほど美しいと感じたことはない。アオスジアゲハの場合、翅のコバルトブルーが逆光に照らされると、空に昇る時に時折透けて輝いているように見えるのだ。
このアオスジアゲハの追飛行動をなんとかもう一度見たいと思って昨年もここへ通った。
しかし、時折、縄張り争いや求愛で2頭が追いかける姿は見られても、空に昇るような追飛行動を見ることができなかった。
そして今年もまた、ゴールデンウィークにアオスジアゲハが出始めてから通い出して今回が4度目だった。
いつものように2時間ほどチョウやトンボを観察していて、帰り支度を始めた時、少し離れた場所でひらひらと絡み合うように3-4頭で空へと舞い上がるアオスジアゲハを発見!
仕舞いかけたカメラをまた引っ張り出し急いでその場所へと走る。
すでにもう追飛行動は終わっていたが、2頭のアオスジアゲハが数m離れた所で吸蜜をしていた。もしかするとまだチャンスはあるかもしれない・・・。
そう思って、カメラの準備をしてしばらく待っていると、またどこからともなくもう1頭のアオスジアゲハが誘うように近づいてきて、いつの間にか3頭一緒になって空へ舞い上がり始めた。
シャッターチャンス。
慌ててカメラを構え、マニュアルで飛翔するアオスジアゲハたちにピントを合わせようとするも、相手も絶えずヒラヒラと動く上、望遠レンズで被写界深度が浅いため、なかなか思うようにはピントが合わない。
空中で舞う2~3頭のアオスジアゲハをファインダーの中に収めながら必死でピントを合わせ続ける。すでに自分自身も初夏の太陽と暑さの中で集中力が欠け始めていたけど、それでも、この後、アオスジアゲハたちがもう一度だけ追飛行動を見せてくれたおかげで1~2枚は満足する画が撮れた。





僕の拙い瞬間写真では伝えきれないけれど、アオスジアゲハたちがひらひらと螺旋状に大空に舞い上がる姿をまた来年も見てみたい。
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