
「麦秋」の時期を迎えた岡山市南部の麦畑。
6月に入ると、梅雨入り前の晴れ間を縫っての収穫もそろそろ終盤に近づきます。
トップの写真は一見すると北海道の田園地帯。
奥に見えるのは灘崎町のファーマーズマーケット・サウスビレッジですが、麦畑とこの建物の組み合わせは、僕が以前、北海道にいる頃に時々撮影に行っていた美瑛町にある美馬牛小学校の三角屋根と小麦畑の風景にオーバーラップして懐かしく、数年前まではよくこの辺りの黄金色に色づいた麦畑の写真を撮り歩いたものです。
岡山市藤田から興除、灘崎町にかけての一帯は、元々干拓地のため起伏がなく、二毛作の稲の裏作として二条大麦(ビール麦)を中心とした大麦の生産が盛んに行われています。

広大な麦畑

納屋のある風景
それで少し気になって、いったいどれくらい二条大麦の生産があるのか調べてみました。
平成19年度の農林水産統計によると、岡山県の二条大麦の生産は全国的に見ても作付面積で第5位(1,800ha)、収穫量で第4位(9,020t、1~3位は佐賀、栃木、福岡)と日本でも有数の大麦産地になっており、そのうち約7割がこの岡山市南部で生産されているようです。
藤田地区のある農家の方に聞くと、「1年おきに稲の裏作としてビール麦を植えている。以前はこの辺りでは小麦も植えていたが最近はほとんど見かけなくなった。」と話してくれました。

こちらは六条大麦。
岡山県南部の藤田、興除、灘崎町の麦畑は大半が二条大麦ですが、1~2割はこの六条大麦の畑も見られます。

そして、こちらが二条大麦(ビール麦)
二条大麦と六条大麦の違いは、穂の条性の違いによるもので見分け方は簡単です。
穂を上から見た時に、平たく二方向に広がっているように見えるのが二条大麦、互生して六条に見えるのが六条大麦。記号で書くと二条大麦が∞、六条大麦が*と言ったらわかりやすいでしょうか。(笑)
(※実は、二条小麦も六条あり、そのうち四条が短く退化したような形になっています。下の写真をよく見ていただくと分かるかと思います。)
ついでに、二条大麦と六条大麦の用途の違いですが、二条大麦は別名ビール麦とも呼ばれ、ビールの原料として収穫後は農協を通じて大手ビール会社へ出荷されていきます。
六条大麦は、いわゆる古くからある食用大麦で、精白したものを米と一緒に炊いて麦飯として食べたり、麦茶や麦味噌の原材料になります。また、ご覧の通り、穂が色づくと二条大麦は明るいビール色になるのに対し、六条大麦は麦茶色になります。

大麦の収穫から田植えの準備へ・・・。
例年この時期、岡山県南部の農家では、梅雨入りを前に一年を通じていちばん忙しいシーズンを迎えます。