セミの羽化 昆虫風景写真編
僕が時々撮影している「昆虫風景写真」。
広角レンズや虫の目レンズで撮影した比較的背景にピントがあった昆虫写真もいいのですが、撮影場所が特定できるような風景写真と昆虫写真をコラボさせるのも楽しいものです。
今回、夏らしくセミの羽化と瀬戸大橋のライトアップを撮影しました。
思い起こせば、昨年夏・・・。
昼間にふと立ち寄った瀬戸大橋の傍らの公園でクマゼミがたくさん鳴いていて、いくつもの抜け殻を見つけました。
その時、とっさに思ったことが、
「タイミングがよければ、ここで瀬戸大橋のライトアップを背景にしたセミの羽化シーンが撮影できるかもしれない。」
それから1年・・・。
先日、三百山へ夕日撮影に行った帰りに、そのことをふと思い出して立ち寄ってみました。到着した時、ほとんど暗闇に包まれていましたが、ライトアップと月明かりの中で観察していると、次々と、計3匹のクマゼミの幼虫が地面から出て木に登り始め、そのうち2匹を撮影することができました。
月が照らす夜、羽化場所を探すクマゼミの幼虫。
この幼虫は後ほどどうなったかお伝えするとして、まずは瀬戸大橋を背景に撮影したクマゼミの羽化シーンをご覧ください。
魚眼レンズ Tokina AT-X107 10-17mm F3.5-4.5で撮影。
月を背景にお約束のイナバウアー。
時間をかけてゆっくりと羽を伸ばす。
ところが、羽が伸びきる前にライトアップが消灯・・・。(苦笑)
EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMで撮影(以下同様)。
月明かりの島を背景に・・・。
通り過ぎ行く船と・・・。
さて、もう1匹のクマゼミの幼虫ですが・・・
木の近くの短い枝の先で羽化を始めました。
ところが、少し目を離しているうちに姿が見えず。
もしかして落下したのかと思い、足元を探しても見当たらず。
再度、羽化していた場所周辺を探してみると・・・
残念な結末が待っていました・・・。
食うものと食われるもの。
長い年月をずっと地中で過ごし、ようやく地上へ出てきたばかりというのに・・・。自然界の中では当たり前の光景とはいえ、やっぱり切ない気持ちになりますね。
夜の潮風に揺れながら・・・。
先ほど羽化したこのクマゼミは、すでに羽が乾きつつありましたが、この時点で、気が付けば撮影開始から4時間半。
翌朝、無事に飛び立つことを祈りながら帰路へつきました。
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コメント
う!
二匹目の羽化は立派だったのに自然の掟は厳しいですね、
こんな瞬間に出合えるなんてやっぱり嗅覚の良さでしょうね~(笑)
投稿: 山猫 | 2008/07/27 0:28:29
yamaさん、こんにちは~
[コラボ昆虫風景写真]いいですねぇ。
先日の~「真夏の夜の夢」 2008.7.19 下津井にて~
の時も背景がいいな~と思っていました。
(そうそう!以前のホトケノザと背景の備中国分寺の写真も今でも好きな写真の一つです^o^)
yamaさんの格闘?のおかげで私たちは
昆虫の世界も覗かせてもらっているんですね。
いつもいつも本当に驚いたり、感動したりで楽しいです!
yamaさんのブログを知ることができてしあわせです。
…年に一度は同じことを言ってるような気がします(笑。
投稿: runo_mur | 2008/07/27 10:48:40
羽化のシーン、写真をクリックして何度も見ましたよ(*/∇\*)
羽化する場所選びも天性の知恵だったりするのかな?
なんて、思ったり・・
バラの木で羽化したキアゲハは、あの場所が安全だと察したのかも?とかとか、、いろいろ考えさせられました。
それにしても、自然の中で生き伸びる昆虫の世界も厳しいのですね(*≧m≦*)
私も、ダラダラしないで暑くてもがんばらなくちゃ!!
投稿: miku | 2008/07/27 12:40:14
おはよー
すばらしいです~
こんなに丁度良い場所で羽化してくれて、そ
れを見つけ、こんな風にきっちり撮り上げて
超ウルトラC級です(@。@”
投稿: Angel | 2008/07/28 6:25:13
>山猫さん
わかっているとはいえ、間近で見るとどうしても可愛そうな気持ちになりますよねー。
嗅覚・・・あはは、そうですね、僕の場合いつもカンとわずかばかりの第六感で動いてますからね・・・。(^_^;)
>runo_murさん
ありがとうございます~。昆虫の世界も奥が深いですね。
そう言っていただけると辛抱した甲斐があります。
確かに、今回のセミの羽化は4時間半、やぶ蚊と空腹と格闘し続けました。撮影に夢中になっていると意外と気にならないのですが、その分終わってからどうにもならなくなります。
ホトケノザと備中国分寺、な、なつかしぃ~~~。(笑)
>mikuさん
何度もクリックしていただきありがとうございます。
セミの羽化場所選び、今回も思いましたが何パターンかあると思います。
いちばん多いケースは枝の先端まで行ってちょい戻るパターン。
あと途中で、出遅れてこの辺でいっか・・・ってやつもいますが。(笑)
キアゲハの件ですが、そういえばアゲハでもブロック塀の陰で羽化しているのも見かけます。mikuさんの予想当たっているかもしれませんよ。とすると、あの幼虫は命がけでトゲを避けて安全な場所選びをしたことになりますね。すごい知恵ですねー。
>Angelさん
どうもありがとうです。
クマゼミの幼虫、3匹のうち1匹は離れた場所へ行っちゃって撮れなかったのですが、2匹は三脚の場所を工夫すれば撮れる位置でした。
まだ新しいHNがピンと来ないですが、もうちょっとですね。(^^ゞ
投稿: yama | 2008/07/28 13:11:00
どんなコメントを書こうか…あーでもない、こーでもない。(笑)
それほどまでに、自然のごく当たり前の素敵さに感動っ。
儚さ、切なさ…そして素晴らしさを思い知らされる。
yamaさんの写真を見て感じれる事にありがたいなぁ~っ。
ワタシの身近でも、毎夜毎夜の出来事なんですよね…。(〃ω〃)
投稿: tanu | 2008/07/28 16:37:00
月をバックにした幼虫の写真がステキです。
せっかく羽化(先日 脱皮と書いてましたw)した幼虫も、こうした危険を乗り越えられないとミンミン、ジージー鳴くことができないのですね。
シワシワの羽がピンと伸びて、透明の羽に色付いて飛べるまでの時間は沈黙の戦い。
捨てきな写真ありがとうございます。
投稿: naomi | 2008/07/28 16:40:05
こんにちは、久々のコメントですが、毎回、見事な写真と記事を、楽しみに見ています。 私も少しは?このブログの影響受け?、遠くに行かなくても、地元の東京で写真を撮りだしました、遠くに行くばかりが、良しでもないし、落ち着いて周りを観ると、地元でも、良いところが沢山有る事に、きずきました。 また拝見させて頂きます(^^)。
投稿: のぼら | 2008/07/28 16:57:57
>tanuさん
コメントは悩まず正直に思うままでいいっすよ。(笑)
でも、書いておられるとおりで、セミの羽化に限らず、自分たちの知らない間に身の回りでこういう当たり前のことが繰り返されてますよね。写真に撮る機会はなかなかないけど・・・。そういう虫たちの生きるための厳しさを見て何がしかでも学べればいいなと思ってレンズを向けてます。(^_^;)
>naomiさん
再度ありがとうです。
セミの羽化、やや高い位置で月を入れるのも難しい場所でした。
>シワシワの羽がピンと伸びて、透明の羽に色付いて飛べるまでの時間
この数時間がいちばんセミにとっては緊張する時間ですね。
>のぼらさん
お久しぶりです。
確かに僕の住んでいる場所はどちらかと言うと恵まれた環境かもしれませんが、ここ数年でいろんな発見が山ほどありました。きっとこれをご覧の方々の周りにも知らないことがたっくさんあるだろうな・・・と思いながらいつもコメント返信しています。
そんな「気づき」が「感動」の瞬間ですのでぜひのぼらさんもいろんな場所を歩いてみてください。この時期暑くて大変ですけど・・・。(笑)
投稿: yama | 2008/07/28 19:22:41
う〜ん!
羽化のシーンは何度見ても感動しますねぇ〜♪
最近私のまわりではセミの鳴き声をあまり聞かなくなりましたが
子供の頃は良く捕まえに行ったり羽化のシーンを見たりしましたねぇ〜
しかし!
4時間半も撮影していたとは。。。
それと!
ちょっと気になったのが
夜の撮影ですがフラッシュ使ってます?
セミは大丈夫なのかも知れませんが
私が毎年通ってる「オオムラサキの里」では
オオムラサキの羽化の最中はフラッシュ禁止にしてます。
禁止にする前は生まれて来たオオムラサキの目の色が違う色になっていて
どうも目が見えなくなっていたそうです。
フラッシュ禁止にしてからそれがなくなったそうですが。。。
セミはどうなんでしょう?
投稿: ヒロパン | 2008/07/28 20:13:51
長い撮影、ご苦労様でした。
でも、貴重な瞬間だから時間なんて気にならなかったのではないでしょうか(笑)。
羽化の瞬間もいいのですが、やはり無防備になる瞬間をねらっていたキリギリス(クツワムシかな?)が、獲物をシッカリと捕えている瞬間もまたいいシーンです。
食うもの食われるもの、食べ物と言うつながりで自然界って回っているんだと感じさせられる瞬間ですね。
投稿: 運転手 | 2008/07/28 22:00:48
こんばんは^^
「風景写真と昆虫写真をコラボ・・」思いは叶うものですね(^_-)-☆
月明かりからも明け方近くまで観察されていたような?(笑)
yamaさんからyama少年に戻る瞬間www
羽化したばかりの雨細工のように繊細な薄緑色の羽の美しさに見とれました^^*
そして残念な結末・・
長い時を経て生まれてきても油断も隙もない自然界・・
食うか食われるか、昆虫たちの暮す自然界では、日々壮絶なドラマが繰り返されているんですね・・
目の当たりにすると切ないですね。。
投稿: kamome | 2008/07/28 23:38:35
うちと両隣の庭でそりゃもう賑やかな蝉時雨で叩き起こされる今日この頃です。
こうやってやっとの思いで地上へ出てきて短い一生を精一杯生きているのだと思うと、
私も頑張らねば!先はまだ長いぞ!と改めて考えさせられました。
しかし昆虫の世界も厳しいざんすね~
投稿: ようこ | 2008/07/29 21:49:40
■レスが遅くなりました。
>ヒロパンさん
こちらでは目覚まし代わりに賑やかすぎるくらい鳴いていますが、そちらではセミの鳴き声をあまり聞かなくなったとは寂しいですね~。
全国的に南方系のクマゼミが増えたのも地球温暖化やヒートアイランド現象の影響と言われて久しいですが・・・。
さて、フラッシュの件。
僕の場合、いかにもフラッシュ焚いてます的な写真は嫌いなので、ストロボ使う時もディフューザー+間接バウンス、さらにマニュアルで光量調整します。なので詳しいことはわかりませんが、今までの個体を見る限り羽化後でも目はきっちり見えている(少なくとも危険察知はできる)ようです。
>運転手さん
時間は長かったですが、夕涼みを兼ねての撮影中は気にならないですね。
終わったあとはお腹がグーグー鳴っていましたが・・・。(笑)
昆虫は羽化の瞬間が動けないのでいちばん狙われやすいですね。バッタ(たぶんヤブキリ)もそのことを良く知っているのでしょう。
>kamomeさん
先日はお気遣いいただきどーもありがとうございました。
セミの羽化、やっぱり夏になると一度や二度は見ておきたいもの。撮り終わったら日付が次の日に変わっていました。(笑)
昆虫風景写真。こういう写真は先に頭の中でイメージが出来上がっているのでセミの幼虫さえ見つかれば比較的容易ですが、途中で捕食者が現れるところまではイメージできませんでした。(^_^;)
>ようこさん
お、蝉時雨が目覚まし時計代わり。
僕とおんなじですね。(笑)
きっとねー、ヤブキリは、セミの幼虫が地上へ出てきて木を登っている時から発見していてじっと待っていたんだと思います。ホント昆虫たちの生き様から学ぶことも多いですね。われわれ人間も暑いけどがんばるざんす・・・。(笑)
投稿: yama | 2008/07/30 19:34:04