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2010年6月30日

虫たちの祝宴-大屋厚夫

ヒメボタルの幻影-虫たちの祝宴
「ヒメボタルの幻影」 2009.6.26 倉敷市にて撮影

ヒメボタルの幻影-竹林に群れるヒメボタルの♀。蛍光に誘われて乱舞する♂。さらにその上をゲンジボタルが掠め飛ぶ-月に帰った“かぐや姫”の幻影を彷彿とさせる。
(大屋厚夫「虫たちの祝宴―雑木林の博物誌2」より)

 
虫たちの祝宴

先週末、自宅に届いた一冊の新刊本。
「虫たちの祝宴―雑木林の博物誌2」(出版芸術社)。

このたび、写真家、大屋厚夫氏が新刊「虫たちの祝宴-雑木林の博物誌2」を発表されました。大型本ですが、いわゆる写真集という範疇ではなく、写真と文章が対等に主張し合い、かつ見事に調和した上質なフォトエッセイと言ったほうがふさわしいでしょう。長年にわたる鋭い観察力と科学的根拠を交えた考察力で、四季折々の雑木林の表情とそこに生きる昆虫の不思議な生態を語っておられます。僕自身も読ませていただいて、「あぁ、なるほどそういうことだったんだ。」と氏の的確な解説に相槌を打つこともしばしばでした。

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大屋厚夫氏は岡山市在住。医師であり写真家であり、日本蝶類学会(フジミドリシジミ)の会長でもあり岡山の昆虫界では知らない人がいないくらいの存在です。
実は今回、ある方を通じて大屋氏からヒメボタルの写真を探しているとの連絡を受け、僕が昨年撮影したヒメボタル(とゲンジボタル)の写真(ブログでは未公開)をお見せしたところ、思いのほかとても気に入っていただき、ぜひA4見開きのA3サイズで掲載したいとの申し出をいただきました。それがトップのヒメボタルの写真というわけです。

大屋氏は、この本の中で「ゆらめくホタル合戦」というホタルについての文章を書かれていますが、「合戦」とはどうやらこの写真にあるヒメボタルとゲンジボタルの競演のことを表現していただいたようです。

真闇に繰り広げられる-燃え尽きるように乱舞するヒメボタルの蛍光群を越えて、ゲンジボタルが蒼白い蛍光を点灯しながら、ゆるやかに飛び過ぎてゆく-それは天の川を横切る流星群のようにも見える。

それにしても「天の川を横切る流星群」や、写真下のコメント「かぐや姫の幻影」というのは実に絶妙な比喩ですが、そもそも僕の拙い写真にはもったいない表現のような気がします。(苦笑)
  
 
最後に「虫たちの祝宴-雑木林の博物誌2」の中に書かれた文章の目次を一部紹介させていただくと・・・

・ギフチョウの博物誌
・「ユウスゲ」を食う「フサヒゲルリカミキリ」
・珍蝶「ヒサマツミドリシジミ」
・擬態-目立つ戦略/隠れる戦略
・究極の変身・鳥糞になりきる
・生きた宝石「タマムシ」
・四段階の威嚇「メンガタスズメ」
・「虫糞ハムシ」か「屁糞カズラ」か
・雑木林のセミ時雨
・虫の息
・芳香を放つ「カメムシの仲間」
・「カブトムシ」の角はなぜ長い
・クヌギ亭・甘味処の「オオムラサキ」
・「髪切」か「噛切ムシ」なのか?

などなど、昆虫好きにとっては思わず読んでみたくなる興味深いタイトルがずらり。もちろん大屋氏自身が撮影された実に約45,000枚の写真の中から苦労して選りすぐったという雑木林の昆虫の生態や瞬間を捉えた素晴らしい写真は随所で目が釘付けになります。昆虫、自然観察好きの方にはオススメの一冊です。
さらに編集後記として、大屋氏の昆虫写真の撮り方とテクニックも公開されていますので大変参考になると思います。
「虫たちの祝宴―雑木林の博物誌2」(出版芸術社)。大型本198ページ。価格4,830円。
 
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2010年6月28日

ニホンザルに遭遇

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「子ザル横断中」 2010.6.20 岡山県新見市にて

野生のニホンザルも集団登校?まるで、みどりのおじさん、おばさんに見守られて横断歩道を渡る小学生のよう・・・

 
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道草中?
 
 
 
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ん?後戻り?
 

先日、ゼフィルスを求めて山の中の田舎道を彷徨っていたら、前方を野生のニホンザルが横切った。傍らに車を停めて気づかれないようにしばし観察。
 
すると、最初はボス1頭のみだったが、安全を確認したのち、たくさんの子ザルやグループの仲間たちが数頭ずつ渡り出し、合計20数頭が道を横断した。その間約10分、渡った後に道草を食う子ザルやなぜかまた戻ろうとする子ザルもいて、ボスザルは手を焼いていたが、そのうちついに呆れ顔に・・・。まるで小学生の集団登校を見ているようで微笑ましかった。
 

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2010年6月22日

ヒロオビミドリシジミの輝き

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「森の宝石 ヒロオビミドリシジミ」 2010.6.20 岡山県新見市にて

目の覚めるようなヒロオビミドリシジミの開翅。
メタリックなブルーとグリーンの輝きはまるで森の宝石のよう。

 
6月20日(日)、曇り。
午前中少しのんびりして、夕方の活動時間狙いで新見方面へゼフィルスの偵察へ。今年は4月の低温の影響で出遅れていたゼフ達もそろそろ出揃ってくる頃だろう。
現地に着くと、真昼間にもかかわらずナラガシワの木で卍飛翔中。(笑)
肉眼では翅裏の模様と色からヒロオビと判断。ところがまだカメラを出していなかったので慌ててレンズをつけて証拠写真のみ。写真ではヒロオビには見えないが・・・。(苦笑)

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場所を移動してカーブした道路沿いにナラガシワの木が並ぶ場所。写真に撮りづらいが、なんとか下草の上に降りてきてくれたのはウスイロオナガシジミ。
 
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ウスイロオナガシジミ
 
 
 
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ミズイロオナガシジミも。
 
 
 
その後、何か所か回り、それぞれの場所でゼフの姿を確認するも高い位置なので写真は撮影せず。
そして最後に訪れたのが2年前にヒロオビの開翅を撮影している相性のいい場所。ここでもヒロオビやミズイロ、その他、ヒオドシチョウ、モンキアゲハ、コミスジ、クロヒカゲなどを確認。
さらに注意深く目を凝らしながら奥へ歩いて行くとクズの葉っぱの上に新鮮なヒロオビミドリシジミ♂を発見!

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少し距離を保って草の隙間から見ていると、なにやら開翅しそうな感じ。V字から徐々に開いていく。この瞬間がなんともいえない。

そして、しばらく待っていると・・・・・
開いた!!

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うーん、何度見ても美しい。
これが中国山地特産のヒロオビミドリシジミの輝き。
まさしく森の宝石と呼ぶにふさわしい。

というわけで、曇り空の下だったが、ヒロオビミの美しい開翅を見ることができたので満足して帰途についた。今回、偶然かもしれないがどのゼフも新鮮な個体が多かった。発生の遅れを考えるとヒロオビもまだしばらくは見ることができそうだ。
 
【関連記事】
新見市草間のゼフィルス(2009.7.7)
ヒロオビミドリシジミ 開翅(2008.6.22)
 

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2010年6月11日

ベニモンカラスシジミ

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「ベニモンカラスシジミ」 2010.6.6撮影

ようやく会えた珍蝶ベニモンカラスシジミ。

 
崖の上のポニョならぬ、崖の上のベニモンカラスシジミ
実は、前週5/31に初めてここに案内していただいたのだが、今年は4月の低温の影響か羽化が遅れており見ることができず。しかし、どうしても会いたいという思いから6/6に再訪となった。
現地へ9:30頃に到着、石灰岩の上で待つこと1時間。
10:30頃、林の中からスーッと現れ、翅を斜めに傾ける独特の姿勢でテリを張る姿を確認。少し遠い位置だったが望遠レンズで撮影。

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食樹クロウメモドキの葉
 
 
ベニモンカラスシジミは、1957年に愛媛県皿ヶ嶺で新種として発見されたことから、学名をStrymonidia iyonis(伊予の国のカラスシジミ)と名付けられた。その後、岡山、広島、高知、徳島、奈良、静岡、長野でも発見されたが、非常に残念なことに愛媛県では、マニアによる乱獲、食樹クロウメモドキでの採卵、原生林伐採により、1968年を最後にわずか11年で絶滅してしまった。

中国地方でも、ごく限られた石灰岩地帯のみに局所的に生息。しかも崖や岩場の木にひっそりと生息しているのでなかなかお目にかかれない。食樹はクロウメモドキ、キビノクロウメモドキなど。環境省RDBでは準絶滅危惧、岡山県RDBでは留意 に指定。
 

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2010年6月 8日

久しぶりの虹

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「帰り道の虹」 2010.6.7 早島町にて(コンデジで撮影)

岡山の仕事場へ戻る途中、虹が出そうだったのでコンビニで待ち伏せ。
少し薄かったが、久しぶりに半円状の大きな虹が東の空にかかった。

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麦秋

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「夕立ち雲と麦畑」 2010.6.3 岡山市にて

麦秋の季節。暗雲を背景に夕日を浴びて染まる麦畑。
黄金色の輝きが一層際立って美しい。

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